カラフトマス

出典: 釣り好きのための釣り百科事典 GyonetWiki

※注意 - カラフトマスは条例によりその採捕に関して規制があります。これに違反した場合、厳しい罰則が与えられます。釣行前に確認してください。

本項「カラフトマス」は日本国内に於いて、北海道地方特有の釣りであるという認識のもと記述されています。 カラフトマスのノートを参照してください。


カラフトマス オス
カラフトマス オス
カラフトマス メス
カラフトマス メス





















目次

カラフトマス(樺太鱒)

サケ目(Salmoniformes) サケ科(Salmonidae)

学名 :Oncorhynchus gorbuscha (Walbaum)

英名 :pink salmon, humpback salmon

別名 :青鱒、背張り鱒、本鱒、マス、セッパリ、カラフト

アイヌ語名:トピリ、エモイ、ヘモイ



特徴


カラフトマスは川で生まれてて海で成体化する淡水魚である。

日本に於いて、北海道全域、本州部では北緯36度以北の太平洋・日本海に分布するが、数はごく少数に限られる。また、北海道地方に於いても太平洋東部とオホーツク海に多く、太平洋西部・南部、日本海には少数が分布するにとどまる。

春に孵化した稚魚は5月頃、3センチ程となり川底から抜け出てすぐに降海を始める。数日で海に出た稚魚はしばらくの間沿岸近くにとどまり成長と共に沖合いへ移動する。沖合いの移動距離は約2000キロ離れた東経175度付近までとされる。海洋で1年を過ごしたカラフトマスは孵化して2年目の8月~10月にかけて母川へ回帰する。カラフトマスはサクラマスサケほど上流域には達せず、中流もしくは下流域で産卵する。産卵を終えたカラフトマスはオス、メス共に数日のうちに死亡し一生を終える。

また、カラフトマスは母川回帰性にさほど優れず、必ずしも生まれた川へ戻るとは限らない。そのことは、標識を付けて放流された個体が母川ではなく、近隣河川や時には数百キロ離れた河川へ多数遡上したことが確認されたことで証明されている。

カラフトマスは必ず満2歳で成魚となり2年で回帰することから、奇数年と偶数年での交流がない。その為、回帰量に西暦の奇数年では多く、偶数年には少ない現象が起きていたが、1992年以降にはこの現象が逆転している。


形態


カラフトマスの頭部
カラフトマスの頭部
カラフトマスオス成長後
カラフトマスオス成長後

背部は青色もしくは青緑色、体色は銀色、腹部は白色。背部、尾びれ、脂びれに大きな黒色点がある。産卵期には他のサケ・マス同様二次性徴がみられ、オスは背部が大きくせりあがり体色は茶色に赤紫が混じった婚姻色、上顎は鷲鼻状となる。メスは背部にせりあがりは見られず、婚姻色・上顎共にオスほど顕著に変化しない。また、オスの背部がせりあがった状態を「セッパリ」または「背張り鱒(セッパリマス)」という。カラフトマスの稚魚にはパーマークがなく、サケやサクラマスの稚魚とは容易に区別がつく。成魚は45センチ~60センチ程度である。

本来、「マス」「本鱒」とはサクラマスのことをいうが、北海道東部に於いてカラフトマスを「マス」「本鱒」と呼ぶ場合がある。

※画像補足

トップ画像「カラフトマス」はオスであるが、河川遡上前でありまだ顕著な二次性徴は見られない。やや背部が盛り上がりかけている。一方、項目「形態」における下部画像では顕著な二次性徴を示している。





シーズン


北海道オホーツク海に面する枝幸方面が最も早いとされ、7月中旬に釣れ始める。その後8月上旬には太平洋東部、オホーツク海全域、稚内方面の日本海でシーズンインする。8月中旬頃からサケの遡上が始まるため、カラフトマスにサケが混じり始め日を追うごとにサケの釣果が上回る。10月に入るとほとんどがサケにとってかわる。


釣り方


釣り方はサケに順ずるが、ぶっこみ釣りよりもルアー釣りの方が釣果が良いようである。

ぶっこみ釣りの場合、サケのぶっこみ釣りとほぼ同じであるが、フロートをサケのものよりも若干小さくする。

ルアー釣りの場合、ウキルアー釣りはサケとほぼ同様であるがこちらもスプーンを10グラム程軽いものを使うと良い。

通常のルアー釣りである場合は、ミノーを使用しても良いがスプーンを使用するほうが一般的である。重さは18g程度のものを使用し、スローリトリーブで引いてくると良い。

ラインシステムやロッドリール等、その他の釣り方についてはサケに順ずるのでサケ/釣り方・仕掛けを参照されたい。

カラフトマスのよく釣れるとされる時間帯は、早朝の夜明け前と夕方日没直前である。また、増水時などは期待大であるが濁りが入ると釣果が落ちる。コツは群れをいち早く見つけることであるが、群れを見つけたら慌てずに岸近くまで寄るのを待つ。岸に寄り切る前にルアーを投げ込むと群れが散ったり、寄りが悪くなる。また、群れの中心へルアーを投げると群れが散り沖合いへ移動してしまうこともある。群れよりも向こうへ投げるのがコツである。

カラフトマスの引きはサケよりもトルクは落ち、サクラマスほどスピーディーではないにも関わらず二者よりも強烈である。


釣りスポット


北海道、太平洋東部(えりも以東)・オホーツク海全域・稚内地方日本海部の河口及び近隣港湾。 その他北海道の太平洋西部・南部・日本海に於いても若干ではあるが釣ることができるが、釣るというよりも偶然釣れたという場合が多い。また、この地方において時期がずれる場合が多く、アムール川水系へ回帰するものもいる。

※全国の一部河川に於いて「サケマス有効利用調査」が行われている。これは、届出を出すことによって一定期間内、各自治体が指定した河川及びルールに従った上で指定河川内で調査という名目でサケ・マスを釣る事が出来るものである。(下部リンク参照)


注意点


サケと同様の規制や注意点があるので留意されたい。

条例による規制

全国の各自治体によりサケ・マス採捕に関する条例が定められています。

北海道

サケ・マスに限らず遊魚者が行える漁法は以下の通り

○竿釣り及び手釣り

○たも網(たも口・たも長40cm未満に限る)

○従手による採捕

サケ・マスにおいて禁止されている漁法

引っ掛け針(かぎ針、ギャング針)で引っ掛けて釣る方法。所謂「引っ掛け釣り

これに違反した場合は北海道内水面調整規則第23条の項目違反に該当し、6月以下の懲役若しくは10万円以下の罰金となる。

古平川河口の標柱
古平川河口の標柱
サケ・マス採捕禁止区域内での採捕(密漁)


禁止区域について

河川内(一部を除く)・河口周辺。カラフトマス釣りをするにあたって特に重要になるのが河口周辺の禁止区域です。ほとんどの河口には以下のような規制が設けられています。

例:石狩川

河口(左海岸1000m 右海岸1000m)

沖合(2000m)

期間(5月1日~11月30日)

これは、石狩川に於いて5月1日から11月30日の間、河口左右海岸1000m、河口から沖合い2000mの範囲はサケ・マスを捕ってはいけないという意味である。

各河川の河口には標柱が立っており、左河口と右河口の標柱を直線で結んだ線より河川側が河川内となる。また、上記のように左右岸に区域規制がある場合は河口標柱から規制距離分(例えば100mならば100m先)の所に距離規制の標柱が立っている。

これに違反した場合、上記の罰則が与えられるばかりか釣り道具は全て没収となる(車等に積んである物も全て)。こうした違反への取り締まりには私服警官が取り締まるケースが多い。毎年多くの釣り人が検挙され、見せしめの為、新聞やテレビなどで大きく報道されることもしばしば見受けられる。

(河口規制等に関しては下部リンクを参照)

事故

サケ・カラフトマス釣りの季節は秋ということもあり、台風の多くなる季節でもある。北海道の場合でも上陸せずとも大なり小なりのうねりが到達する。サケ・カラフトマスの群れに夢中になる余り、大きな波に気が付かず波にのまれて命を落とす人が毎年あとを断たない。気を付けるのはもちろんの事、ライフジャケットを着用するよう心がけたい。

寄生虫

サケと同様、カラフトマスを食すときに気をつけたいのが寄生虫である。

カラフトマスに寄生するものには、シーライス(海ジラミ)・アニサキス幼虫がある。稀にサナダムシも寄生する。以下は特に多く寄生するシーライス(海ジラミ)とアニサキス幼虫について記述する。

カラフトマスに付いたシーライス
カラフトマスに付いたシーライス
シーライス(海ジラミ)

魚体内に寄生するものではく、体表、主に腹部及び尾部に付着する。目視で容易に確認できる。形状はおたまじゃくしを扁平にしたようなもので、大きさは直径2~5mm程度、長3mm~1cm程度である。見つけ次第、包丁などでそぎ取る、指で剥がし取ることなどで対処できる。特に害はない。

アニサキス幼虫

サケ・マス体内に寄生し、これを食すと人体に甚大な影響を及ぼす。他のシーライス(海ジラミ)やサナダムシに比べ、はるかに寄生確率が高く、サケ・マス一尾に対する寄生数も多い。

形状は直径0.5mm以下、長さ1~4cm程度の糸状で白色もしくは半透明。目視で確認するのは非常に困難。

主に寄生部位を刺身などで食した際、人体内に入り込む。症状は激しい腹痛及び胃痛が数日間続き、稀に腸ねん転を引き起こす。その痛みは七転八倒と形容される。

予防策としては、冷凍、加熱による殺虫が効果大である。特に刺身で食す場合は24時間以上の冷凍が望ましい。→詳しくはアニサキス参照


豆知識


サケの缶詰、所謂鮭缶の中身はカラフトマスである。


関連項目


サケ

ニジマス

ヒメマス

ブラウントラウト

サクラマス

マス


外部リンク


サケ釣りに参加しよう!(サケ有効利用調査を行う河川)

サケ ますに関する規制

河口付近等におけるさけ・ます採捕禁止区域一覧(第42条関係)