【漁業権】

漁業権(ぎょぎょうけん)とは、漁業法で定められた「特定の水面において、排他的に特定の漁業を営む権利」である。つまり、特定の川や湖、海域で漁師だけが特定の漁ができる権利をいう。
「補足:漁業者と遊魚者
漁業者とは漁業を営むことによりそれを生業としているもので、水産業共同組合法により定められた、海面90日~120日以上、内水面60日~90日以上の範囲でその者が所属する各水産業協同組合(漁業組合)が定めた日数を出漁しているものをいい、それ以外のスポーツ、レジャー等で魚等を採捕するものを遊魚者(つまり釣り人)という。」
漁業権には三種類あり、
1、共同漁業権
2、区画漁業権
3、定置漁業権
がある。
以下には釣りと特に関係の深い「共同漁業権」について記述する。
共同漁業権には第一種から第五種まであり、
第一種共同漁業:藻類・貝類等、定着性のあるものを目的とする漁業 (昆布、わかめ、ひじき、岩のり、あさり、あわび、ばい、たこ、うに、伊勢えび、など。)
第二種共同漁業:網漁具を移動しないようにして営む漁業
第三種共同漁業:地引網、飼付、つきいそ漁業など
第四種共同漁業:寄魚、鳥付こぎ釣漁業
第五種共同漁業:内水面(一部海面)で営む漁業
がある。
「※釣り人の為の補足
ここで注目すべきは第一種共同漁業権である。そもそも漁業権というものは「水産動植物を採捕したり養殖したりする権利」であって、特定の海域や魚等を独占する権利ではありません。時折、「この海域には第一種共同漁業権が設置してあるので釣りを禁止します。」などの看板が立ててあることがありますが、上記記述通り定着性のある水産動植物以外であれば釣りをすることができます。また、「この海域には漁業権が設置されています。釣り禁止」なども時折見受けられますが、何の漁業権であるかが明記されておりません。こちらはそれを調べることによって釣りが可能な場合もあります。ただし罰則はなくとも、漁業者との折り合いの問題がありますのでその辺りは揉め事のないようにすることが大切です。また、以上のように漁業権の設置されている場所で、指定以外の釣りをしている場合でも漁業権を侵害することがあります(以下に記述)。」
具体的な権利の侵害
1、現場の施設、または使用中の漁具・養殖施設を毀損(-きそん)する行為。
2、現に行いつつ、もしくは行おうとしている操業を妨げる行為。
3、漁場内において、漁業権と同じ漁具を使用して採捕する行為。
4、水質の汚濁など、明らかに漁場の価値を下げる行為。
などがあげられる。
罰則等
漁業法第23条により「漁業権は物件とみなし、土地に関する規定を準用する」となっています。
損害賠償請求権:これは上記に述べた通り、漁業法の規定ではなく民法の規定により行使される。
民法第709条(不法行為):「故意又ハ過失に因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之に因リテ生ジタル損害ヲ賠償スル責二任ス」
これにより、漁業権の侵害に対しては20万円以下の罰金が規定されている。但し、被害者からの告訴があることが前提となる。
「※釣り人の為の補足
ここに挙げたものはほんの一例にすぎません。漁業法の中では他に様々な規定が設けられております。更にこれに付随して、各都道府県の条例にも様々な規定・罰則が設けられています。」

外部リンク

漁業法
水産庁